40.「相続」は「相」続なり
遺言の3つの形式、①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言の内、どれがご自身にとって、または親にとってベターなのか、少し考えていただけましたでしょうか。
どの形式も、メリット・デメリットが複数あり、悩ましいところではあるかと思います。
落ち着ける時間があるときにでも、上記3つを少し思い出して考えてみてはいかがでしょうか。
■ 「相」の字=「形」?
さて、本日分が連載(途中色々入っていますが・・・)「10倍相続」の最終回となります。
最終回は、相続の「制度」等ではなく、「字」について触れておきたいと思います。
「10倍相続」の
〈7〉 http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-02.html
〈8〉 http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-03.html
〈9〉 http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-06.html
〈10〉http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-07.html
〈11〉http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-08.html
〈12〉http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-10.html
〈13〉http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-11.html
〈14〉http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-16.html
〈15〉http://kimuratokyo.doorblog.jp/archives/2013-11-17.html
では、「遺産の形」「その他の形」というタイトルで、具体例を挙げながら、そして、ほぐしながら記事を書きました。
要は、遺言書に書かれる土地、建物、預金債権などの遺産は、なんらかの「形」になっている、という趣旨で色々書いた文です。
「形」がある以上、その外形は目に見えるものです。
「形」を有する「遺産」というものが引き継がれていく。
それが「相続」であることは、疑いのない事実です。
ということは、「相続」の「相」という字は、論理的には、「形」を意味するということになります。
■ 「相」の字=「形」+α?
では、「相」の字は、本当に、単に「形」を意味するだけの言葉なのでしょうか。
そこで、辞典で意味を確認しておきましょう。
まず、「広辞苑」(岩波)によると、「相」は、
①すがた。ありさま。外見。形状。
→ 外形に重きを置いた正に「形」ということで、前述の通りですね。
②人相・地相・家相の類。また、それを見ること。
→上記①より深みと広がりが少し出てきましたね。
次に、「新明解国語辞典」(三省堂)(※私・木村成宇が読んでいて最も面白いと思う国語辞典。ちなみに、今、日本で最も売れている国語辞典でもあります。余談です。)によると、「相」は、
外に現われた形(によって知られる内面の姿)。
と書かれています。。
カッコ書き前は、上記①と同じですが、カッコ書きの中身は、「内面の姿」とあります。
後者にまで意識を及ぼせば、目に見えるものではないところまでを含むことになります。とても深いですね。
ここから次のように考えることはできないでしょうか。
「相続」というのは、親の不動産やお金などの財産ばかりを引き継ぐのではない。
土地や家のように目に見える財産だけではなく、そこから想像できる「想い」のようなものをも引き継ぐ。そういう言葉であると。
どのような経緯でこの土地を所有することになり、どれだけの汗を流してこの家を手に入れたのか。
親の立場であれ、子の立場であれ、そこまでしっかり「想い」を馳せることによりみえてくる(目には見えないけど)、努力、信念、愛情といった生き方を含めた人間(親)の姿を指しているのが「相」という言葉ではないか。
そのように思えてなりません。
その「相」が親から子へ、子から次の世代へと心で「続」いていく。
それこそが、本来的な「相続」なのかもしれません。
■ 最後に
これでみえてきましたね。
「相続」の正体が。
年齢に拘ることなく、いざというときのためにも、子ども同士がもめない円満な相続のためにも、「心に届く遺言」を書く準備をしてみませんか?
【あとがき】
本日をもちまして連載 「相続」の手引はこれで決まり! 法のほぐし屋が書いた 「10倍わかりやすい相続入門」 (「10倍相続」(略称))第1章(※あくまでも「第1章」です。) 「相続」の正体がみえてくる (〈1〉~〈40〉まで予定通り来ました!)は終了となります。
たくさんの方に読んでいただいたことが私・木村のエネルギーとなり、ここまで回を重ねることができました。
感謝、また感謝です。
拙い文ではありましたが、できるだけ分かり易く、でも、誤認混同を招かないためにも制度や用語を適切に用いながら進めていきたい。このような意識が、私・木村成宇流の「ほぐし屋」的な文となりました。
ここで書かれた内容が、皆様の一助となれば幸いです。
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