■ 方向性が見えてきた外国人受け入れ策

人手不足
もいよいよかなり深刻な段階へ。総合的に考えるべき問題ではありますが、遅すぎた対応かもしれません。政府がようやく働き手としての外国人を受け入れ(「移民」ではない点に留意)、外国人を積極的に活用する方向へと舵を切りそうです。安倍晋三首相を議長とする産業競争力会議が成長戦略の骨子案をまとめました。その中でも、「技能実習」制度の抜本的な見直しを明記した点は、特に注目に値するのではないでしょうか。

■ 「技能実習の対象職種追加

震災復興、2020年東京オリンピック開催、不動産活況などを背景に、深刻な人手不足に陥っている建設業技能実習生を受け入れる場合、実習期間を現在の最長3年から5年程度に延ばすことが可能という方針を政府が示したことは、当ブログでも既に紹介しております(「建設業、人手不足で外国人雇用→在留資格「技能実習」+「特定活動」の合わせ技でひとまず対応か!?」2014年3月27日の記事)。今回明らかになった方針は、新たに「介護」、「自動車整備業」、「林業」、食材を加工する「総菜製造業」、従業員や在庫の管理を手掛ける「店舗運営管理業」を「技能実習」の対象職種に加えるというものです。このように受け入れを拡大する方針を示した一方で、技能実習生を受け入れる企業側の不正行為が認められた場合の罰則強化や企業・団体名の公表の検討にも入りました。これは、技能実習生が劣悪な労働環境のもと働かされることを防止する目的と考えられます。できるだけ良い労働条件・環境で働かせてあげることが、受け入れ企業や監理団体の評判、ひいては発展に繋がるのではないかと思います。


■ 国際貢献と人手不足解消の両立

ここで今一度確認しておくべき点があります。「技能実習」制度は、本来、国際貢献のための制度です。つまり、発展途上国の外国人を日本に実習生として受け入れ、働きながら日本の技術を学び、その後母国へ戻って国の発展に寄与してもらうお手伝いをする制度であるということです。このような制度の趣旨をしっかり踏まえながら、日本経済・企業の成長の落とし穴となりうる人手不足解消を図れれば、技能実習生にとっても、技能実習生を送り出す機関(や国)にとっても、そして、受け入れる日本側の企業にとっても、win - win - win の関係が成立するのではないでしょうか(このブログは、日経新聞2014年6月11日を参考にしてまとめ、私が思うところを示したものです)。


 人手不足でお悩みの経営者様、「組合設立や「技能実習」制度のご利用をお考えの経営者様、弊所・行政書士木村国際法務事務所 TOKYO JAPAN 03-5793-5937)までお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。